えいがのはなし 二十四の瞳

えいがのはなし 二十四の瞳

二十四の瞳
名匠・木下恵介の名作<二十四の瞳>を観た事がなくても、そのタイトルを知らない人はいないだろう。
そして、観ていない人のイメージは、戦争に関係する話、小豆島、子供たちと先生、悲しい話といったところではないか?
私もそんなイメージだけで、ほとんど期待せずに観た。
そして案の定期待しなかった通り、小豆島のノンビリした風景とともに物語りが始まる。
(あとからすればこのノンビリ加減が後に効くのだ)
そして新米教師と12人の子供達の日常の風景が延々と続く。
まだ教師や子供達のキャラクターを把握しきれていないうちには、なんの感情移入も出来ずに
映画は私を眠りに導こうとしているかのようだ。
後半すっかり映画に引き込まれた頃には、
この退屈だった冒頭の子供達の姿が懐かしく感じさせられたのには驚いた。
こういう映画体験をさせる<力>こそ、力のある監督の技なのだろう。
映画が終わったときには、私はすっかり<二十四の瞳>に夢中になり。
たんなる子供と先生の話ではくくれない、大きさを感じさせられるのだ。