「そりゃ~ないだろう」「そんな、まさか!」「出来すぎだよ~」
あまりにもストーリー展開にムリがある映画を観て、ついそんな言葉をつぶやいてしまったことは誰にでもあるだろう。
人はこういう映画を『ご都合主義』と言い侮辱する。
しかし偶然が重なってこそ映画的とも言える。
リアルとか必然性ばかりでは映画的な面白さにかけるとも言える。
必然的な展開ばかりを眺めていて面白いはずもない。
私の日常生活は「よりによって!」の連続だ。
そうしようと思ってもナカナカ出来ないような事が起こり続ける。
たとえば真夜中急ぎで車を走らせていると、事故渋滞に遭遇し、回避しようと裏道に逃げると工事で通行止めに出合い、迂回すると目の前でマンホールから水が吹き上がり立ち往生。
どこにどう逃げようとしても目的地に辿り着けない。これ実話。
でもこんなストーリーの映画だったらふざけんな!と言いたくなるでしょ?
ほかにも最近こんなことがあった。
散歩がてらに、五反田の風景を撮影していた時のことだ。
普段は人気の無い工場脇のレンガを撮りたくて向かうと、そんなところで立ち話してる人を今まで見たことないのに
「よりによって!」写真を撮ろうしているソコに人が突っ立って話している。
仕方ないのでソコをあきらめ、ボーリング場の屋上の不思議な球体を写真に収めようと、良いポジションを探す。
やっと見つけたグッドポジションは山手線のガードを挟んだ位置。よしココで撮ろうとカメラを構えると電車が来る。
仕方ないので通過を待って撮ろうと思ったら、電車は失速。カメラを構える私と被写体の間で停車!何なんだ!「よりによって!」
次に目指すは駅前の歩道橋。ところがその歩道橋。塗装工事中でその姿が覆い隠されているではないか!「よりによって!」ってこんな事が日常茶飯事的に起こります。
そんな訳で、こんな日常を送っている私には『ご都合主義』や偶然の多い映画を非難する気にはなれません。
映画よりも現実の世界の方が摩訶不思議だったりするからネ。
必然性ばかりの映画の方がウソ臭いともいえるし、偶然性意外性があってこそ面白い。
日常生活もありきたりより、ハプニングがあるからこそ楽しい。のでは、ないかな?
もし偶然が許されないのなら、例えば傑作<死刑台のエレベーター>のような映画は生まれない。
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