映画はやはり、リアルタイムで観るべきです。
でも、いくらそう考えてもこればかりは叶わぬ理想。
過去から順番に映画を観る事は誰もできないのです。
新しい映画から観始めるて、あとから古い名作を観ても必ず
「昔の映画はテンポがスローだ」とか「特撮がチャッチイ」と言うことになってしまいます。
この言葉は、映画の歴史で映画関係者が果たしてきた努力を一言で無意味にしてしまう、非常に悲しい言葉です。
SFXがチャッチィとかの意見を聞くと
特撮の技術力の優劣を確認するために映画館に足を運ぶものなのかな?
と思ってしまう。
昔の映画はノンビリしていると聞けば
競争するようにスピードを競うものなのかな?
と思ってしまう。
私的には、今の映画は早すぎて観ていて疲れます。
それでも、<ダイハード>や<スピード>が登場した頃は、そのスピード感に新鮮さを感じました。
今では、これらの作品もオールドムービの部類らしく、スピードに欠けるのかもしれません。
SFXの技術がお粗末だと、作品に集中できないという欠点もあります。
しかし作品として良く出来たものは、そんな技術の問題をも感じさせません。
<2001年宇宙の旅>は、40年近くたった現在でも見劣りしないと思います。
初代<キングコング>を見て、「特撮が人形アニメーションだから笑ってしまう」とバカにしたら
確実に映画の楽しみ方の一部分を放棄してしまいます。
一方近作の<キングコング>は、技術の最高峰です。
私は新旧どちらも大好きです。
ただ、近作のキングコングを観た後は、もうお腹いっぱい状態で、特撮技術はこれ以上必要ないと感じました(食傷気味)
日本でも<ALWAYS三丁目の夕日>の特撮が評判でした。
しかし特撮の技術ばかりを褒めてしまっては、この映画は浮かばれません。
これからは、常にこのレベルの映画が普通に作られなければ日本映画界も寂しいです。
ハリウッド映画でも良い映画は、技術をここぞとばかりに見せつけるのではなく、何気ないシーンに上手く特撮が活かされています。
見せる特撮より、これからは上手く作品を補うための特撮であってほしいです。
100年前に映画を観た人が
その間の映画を観ずにいきなり現代の映画を観たら、心臓が止まってしまうだろうなぁ。
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