邦訳題のタイトルが陰をひそめ、いわゆる横文字カタカナ題名の作品が主流になってしまって久しい。
しかし横文字タイトルが一概に悪いとも言い切れず、良い効果を発揮する場合もあるし、邦訳題(以下タテ題)のタイトルにしても失敗ネーミングが結構多い。
<追憶>なんていうのは言葉のイメージからは良い題名だが、作品の内容からは適切とは言えない様な気がする。
作品はウーマンリブ全盛期に作られ、単なる甘いメロドラマではなく、個人の価値観や女性の自立といった要素が色濃い、重い系メロドラマだ。
同じRレッドフォード主演で<出逢い>の原題は<ErictoricHorseMan>訳すと電飾馬男・・・あれ?中国語題名みたいになってしまった。
タテ題の淡い感じから程遠い原題なのだ。
内容は確かに出逢いとも言えるし、電飾馬男とも言えるので、両方の要素を込めて≪電飾馬男との遭遇≫としたら良いのではないか?(良いわけないか!?気色悪いぞ!)
名邦訳題といえば<北北西に進路を取れ><燃えよ!ドラゴン><勝手にしやがれ!><招かれざる客><理由なき反抗><風と共に去りぬ><未知との遭遇>なんて思い浮かぶ。
それでも<未知との遭遇>などは今だったら絶対に原題通り<TheThreeEncounter>になっていただろう。
無理やりタテ題にしてしまうとヘンテコでわけがわからなくなる場合もあるので、横文字タイトルも捨てたものではない。
<インデペンデスデー>は≪独立記念日≫または独立の日だが、これでは日本人には理解しがたい。
この原題通りヨコ題の方がⅩデーみたいな感じでなんかいいかも知れない。
また<LAコンフィデンシャル>なんていうのも、さっぱり意味が分らないが、どこか怪しげな感じがするので、映画の雰囲気にあっているのかもしれない。
ほかにも<ゴッドファーザー>⇒名付け親、<スターウォーズ>⇒宇宙大戦争、<ジョーズ>⇒あご。
こんなタイトルにならなくて良かった事は明白である。
タテ題の失敗例で挙げておかなくてはいけないのが<続!激突カージャック>だ。
スピのデビュー作<激突!>の成功に便乗して、監督第2弾にも<激突!>をつけたかったようだが、<続>というにはムリがあり過ぎる。
反則スレスレ、ほとんど詐欺行為スレスレとも思える。
作品の方はサイコーに良いのだが。原題<SugarLandExpress>。このままカタカナでもわけが判らない。
古典的SFホラー<遊星よりの物体Ⅹ>はリメークされて<遊星からの物体Ⅹ>になった。
この2文字の違いの意図は不明だ。
こちらも古典的スリラー<恐怖の岬>は直訳タテ題だが、リメークされた作品は<ケープフィアー>と原題通りの横文字タイトルになった。
それぞれの公開当時の時代にマッチした好選択だと思う。
前作ロバートミッチャムにしても新作ロバートデニーロにしても怖さでは甲乙つけがたい作品だ。
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